これは2021年1月14日にGeneris COOのMax Kelleherが、新年に向け配信したメッセージの日本語概要版です。
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2021年1月14日
新たな一年の始まりに、新たなバズワードが登場します。自社のソフトウェア製品が「基盤となる(で不可欠な)」、「包括的」そして「費用対効果」の高いソフトウェアに見えるようベンダーが再配置を企てるために、特に「プラットフォーム」という言葉を耳にすることが多くなるでしょう。
そのうち最後の1つの「費用対効果」を確認してみましょう。パンデミックが続く中で各国が孤立主義よりの経済的影響を受けているため、多くの企業ではコスト削減や再構築を模索しています。それは大規模な製薬企業であっても例外ではありません。高価な単一機能のツールが今ではもう魅力的ではないと言えます。特により競合ツールがより多機能である場合、あるいは業務の他部門でも使用できる機能が搭載された他ツールがあればなおさらです。今年は単一機能ツールのサブスクリプション費用を何種類も支払わなくてすむように、企業はスイスアーミーナイフのような、多機能搭載のソリューションを探すことになるでしょう。
同じソフトウェアで新たなポジショニング?
新規機能や新規領域へ、ツールの横展開を開発して(あるいは少なくとも発表することで)、ベンダーはより包括的なオファーを持ち合わせていると外部から見られたいのです。自らのより広義な価値を顧客に納得させるため、今後「エンドツーエンド」、「包括的」、「360度」などのフレーズを、ベンダーが使うことがさらに増えることが考えられます。
またGoogle、Monday、Asana、ClickUpなどが皆、「ワークスペース」ソリューションを記述しているので、「ワーク」と「ワークスペース」ソリューションが始まっているのです。人々の多くは今のところ仕事場を持たない傾向にあるので、間違いなく「ワーク・フロム・ホーム」現象にも連動しています。
いずれの場合も言及されているのは、一般的に基盤となるプラットフォーム(作業プロセスのためのソリューション構築)や協調的な生産性ソリューション(共有と作成)が混在しているということ。ベンダーはこれらのオファーを説明するために、新しくて「光り輝く」用語を試しているのです。
これは顧客に「基盤となる」と思われたいという欲求の高まりにつながります。何らかの形でベンダーのソフトウェア製品が業務の中核的な構成要素となりうることは、顧客に対しその継続使用を促すために重要です。そこでベンダーはコスト削減の圧力と、多機なソリューションの拡大が避けられない中で、自社の「プラットフォーム」が、広範で不可欠なビジネス価値を引き出すためのユニークな鍵となることを市場にアピールしようとしているのです。「ツール」、「ソリューション」、「プラットフォーム」のどれかを選択しなければならないとしたら、私は間違いなく「プラットフォーム」を選びます。
プラットフォームがプラットフォームではないのはいつ?
では、2021年のプラットフォームのノイズをどのようにフィルタリングし、真のプラットフォームがどれなのかを見極めることで、組織全体のビジネスケースの新しいソリューションの展開するという無限の可能性を企業に提供できるのでしょうか。
プラットフォームが本当にあるべき姿を明らかにしましょう。ここに一つの見解があります
「これまでプラットフォームを基礎となるコンピュータシステムと考えていましたが、今ではおそらく、産業界がプラットフォームを「積み上げることができる何でもありの存在」と考えているという事実を受け入れなければなりません。」(出典:ソフトウェア製品とプラットフォームの違いは何ですか?ADRIAN BRIDGWATER, FORBES, 2015)
現実をノイズから切り離すためには:
プラットフォームは、少なくとも企業がアプリやソリューションを構築できる場であるべきです。広範な既成概念にとらわれない単一ソリューションは、プラットフォームではありません。実はGoogle Workspaceはプラットフォームではないのです(だからといってクレームを言っているわけでもありません)。私が知る限りでは、緊密に統合された生産性ソリューションのセットが、より統合された全体的なエクスペリエンスへと、非常に素晴らしい進化を遂げた結果かもしれませんが、それはものを作る場ではありませんのでプラットフォームではないのです。
基盤となるプラットフォームは、ドメインソリューションとコンテキストソリューションの両方をサポートするためのコアフレームワークを提供します。(ドメインソリューションとは、特定の定義された業務プロセスをサポートするソフトウェアのこと。コンテクストソリューションは、日常業務の中でアドホックで使用できる適応性の高いツールのこと)。この場合基盤となるプラットフォームだけが、新しい業務機能やプロセスを実装するための将来性のある柔軟なソリューションを提供します。
優れた基盤となるプラットフォームの特徴については、Generis及びQdossier、intilaris、DCL、Extedoなどのパートナー企業が、インテリジェントコンテンツサービスプラットフォームであるCARA™を使用して、ライフサイエンスやその他の規制された業界の業務プロセスの変革を行なっていることをご覧ください。
Max Kelleher, COO, Generis